アートフィルムフェスティバル 第一期:松本俊夫 映像のアヴァンギャルド

今日から始まった松本俊夫特集に行ってきました。もう半年前から楽しみにしてましたからね。といっても前にも書いたように劇映画『薔薇の葬列』しか観たことないんですが…。あ、だからこそ、彼の映画がたくさん観てみたかったともいえますか(笑)。


<ドキュメンタリーとアヴァンギャルド1>として、『西陣』『石の詩(うた)』の上映。ドキュメンタリー好きな私としては衝撃な作品でした。こんなに前衛的なものがあっただろうか!と。画面(構図)の素晴らしさしかり、西陣の手織りと工場の織り機のカットバックだったり、音声の扱いといい、もちろんそのテーマといい、感服といいますか。最初の屋根のシーンで「やられた!」って感じでしたけど。『石の詩』は、ほとんど寝てしまっていたのですが(汗)、全編スチル写真で構成(だから眠くなった?)。写真はアーネスト・サトウのもの。これがまたいいんですよね。またカーン、カーンという石をたたく音が印象的。もう一回観たいな。


<ドキュメンタリーとアヴァンギャルド2>は、『母たち』『つぶれかかった右眼のために』の2本。『母たち』は、世界各国(といっても4カ国?)の「お母さん」にスポットを当てたもの。「母とは」「母の存在とは」といったテーマ。寺山修司の詩で全編が構成されています(語りは岸田今日子)。「母親は麦 子供しか踏めない」「母親は水 子供しか飲めない」…といったような詩が繰り返されます(「母親は鬼」というフレーズもあった!)。映像(撮影;鈴木達夫)の力強さと寺山修司の詩のインパクト、そして湯浅譲二の音楽と、なんて贅沢なドキュメンタリーなんだろと思いました。いろいろ考えさせられる映画でした。『つぶれかかった右眼のために』、これかっこ良かったな〜。映像のコラージュと音楽がほんとかっこいい。映像は新宿だったり、裸が出てきたり、若もののゴーゴー(?)だったり、デモだったりとさまざまですが、観てて飽きなかったな。


<反転するオリジナルとコピー>では、『エクスタシス』『メタスタシス 新陳代謝』『エクスパンション』『モナ・リザ』『アンディ・ウォーホル:複々製』を鑑賞。これぞ、松本俊夫の実験映画って感じなんでしょうか。か、かっこいい。先日鑑賞したナム・ジュン・パイクを思い出しました。昔の映像なのに、いまもかっこいいと思える映像って凄い。ただ、最後に観た『アンディ・ウォーホル』は、音が私の苦手な感じでちょっと鳥肌が立ちました(苦笑)。映像はとっても面白かったんだけど。


明日も上映はあるけど、私は一休み。週末にまとめて観ようかなと予定してます〜。ちょっと疲れましたー!