あいちトリエンナーレ@納屋橋会場

本当は平日にゆっくり見たいと思っていたのですが、ヤン・フードンの作品(映像)は土日と決まっていたので見に行きました。会場は倉庫の広いスペースを利用したもので、全体的に映像作品が多い会場だったように思います。


私たちが行ったのは13時からの回。旦那に言われて気づいたのですが、ヤン・フードンの作品は昨年の『アヴァンギャルド・チャイナ』展(愛知県美術館)で観ていたんだった。その時は今回よりもスクリーンの数も少なく横一列に並んだ状態だったので、左右の映像を見比べたり、ソファに座ってゆっくり一つの映像を楽しんだりということも出来たと思います。今回は「9つのスクリーンと、18台の映写機(中国から作家所蔵のものを輸送)」が場内に設置されているとのこと。「一つ一つのスクリーンに同じ場面の別テイクが繰り返し上映」なので、みな貰った断り書きのプリントを読み(括弧内はプリント参照)スクリーンの映像を観ながらどこが違ってるかを探しているような感じでした。


場内には映し出される映像のあかりと映写機のカタカタ音が広がりました。それはとても私的には心地よい音だったんですが、移動して見たり、一つのところを観ていてもその隣はどうなってるんだろう?とそっちのスクリーンも気になってしまったりし、全然集中して観れませんでした…(苦笑)。じっくりと同じスクリーンを観ていたらなにか違いでも感じられたかな。「ここが違うかな」と思ったところはあったけど、それが合ってるかどうかは分からないし、そもそもこうやって間違い探しみたいな感じで観てしまっている自分にげんなりした。もっと先入観なしに観たかったなぁ。また会場に来ている人達も、普段美術館に来るような感じの人が少なくワサワサしてたというか。人の多さにもげんなりしてしまったというか。ちょっとテンション下がっちゃって。


上映は約35分で終了。ま、心はワサワサしたけど、こういうインスタレーションは初めてだったのでそれについては楽しかったと思う。壁に描かれた『水牛』(ダヴィデ・リヴァルタ)は鉛筆で描いたものだったので驚いた。スン・ユァン+ポン・ユゥの作品は、窓から本が時間を置いて落ちてくるというものでした。きっといつもの展覧会でこれ観たら私は黙って観てると思うんだけど、まるでアトラクションを見てるように大声で騒いでる人もいて。それは素直な反応なんだろうけど、静かなところで見慣れているので違和感があったのでした。



冷静に、作品を一対一で楽しめたのは、小金沢健人さんの映像(インスタレーション)でした。あれは何でしょう…なんて説明したら?w ガラス板か何かに絵具的なものを指で塗ってくっていうか…う〜ん。スクリーンはいくつかありましたがそれぞれが違う映像。でも手法は同じなのでいろんな映像が写っていてもそれほど違和感はなく、音楽がそれらを一つにしていたという気もする。ポコポコっていうのとも違うけど、なんか落ち着く音でしたね(テンポは速かった!)。旦那が「この音楽も作ったのかなぁ」と言っていたけど、HPに「作家がおよそ10年にわたり録り溜めた音《Forgotten ears》と、多数のプロジェクターを使った新作映像《Paint it Black, and Erase》を発表」ってあるから、もしかしたらそうかも? とても心地よかったので、後ろのソファでゆっくりしてたら二人ともウトウトし始めたので退散しましたw


納屋橋会場に来たかったのは、愛知県美術館で観た宮永さんの作品がこちらにもあるということだったので…。ですが、作品がもうほとんどなくなっていました。ガイドさんは「繊細な作品なので」の一点張りでしたが、ナフタリンを使った作品ということですよね。だとしたら、まぁなくなってくか…。うぅ、もっと早く気づけば良かったよぅ。せっかく観に行ったのに「観に行かれても、もうほとんど残ってないです」ってかなり凹みましたね(でも悔しいから観に行ったんだけど)。HPの片隅にでも書いておいてもらいたかったなぁ、注意書き。。


なんか作品そのものを楽しめる気分的余裕がなく、また宮永さんのも観れなかったってことや、ま、いろいろ個人的に感じるところがあり(感じてしまい)、辛い会場になってしまったかな。小金沢さんの作品がなかったらもっと凹んでたけどね。作品は静かにゆっくり観たいタイプなんだけど、三年後もこんなんだったら行く気しない。



これは作品ではありませんが、草間彌生のテキスタイルを使ったソファセット&スタンドが展示されていました。リビングにこれあったら私は落ち着かない…w