〈回顧2009〉今年の美術を振り返る(asahi.com)

http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200912080139.html
一部引用

 例えば、世界の才能が個性を競う場、国際美術展ベネチア・ビエンナーレ。今年は「メーキング・ワールズ(世界を構築する)」という勇ましいテーマを掲げたが、日本の具体美術協会の1950年代の旧作なども含め、なぜか糸や通路などを使い、物と物、場所と場所を「つなぐ」作品が目立った。展示場所などに左右されない強い作家性ではなく、ネットワークでしか世界は構築できない、と改めて表明したようにも見えた。

 新潟の野外現代美術展「越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ」は4回目を迎えた。作家が、大自然や地域の人々と響き合って制作・発表する同展の定着が意味するところは、小さくない。ここでも塩田千春ら、糸を使った「つなぐ」表現が目立っていた。

 木村恒久福田繁雄、早川良雄、粟津潔。グラフィックデザイナーの訃報(ふほう)が、昨年末から相次いだ。彼らこそ、催しなどと戦後社会を視覚表現で「つなぐ」名手だった。

 東京・森美術館で個展を開いた中国現代美術の巨人・艾未未アイ・ウェイウェイ)は、「アーティストもすべてを自分でコントロールすることはできない」と話した。そして異才・横尾忠則金沢21世紀美術館での個展に際し、語った。「人は言葉をまねしながら成長していきます。芸術だって、完全なオリジナリティーなんてあるのかどうか」と。

北澤憲昭(美術評論家
 ▲「岡本太郎の絵画」展 川崎市岡本太郎美術館
 ▲「“文化”資源としての〈炭鉱〉展」 東京・目黒区美術館
 ▲「近代の東アジアイメージ」 愛知・豊田市美術館


高階秀爾(美術史家・美術評論家
 ▲「冨田溪仙展」 福岡市美術館ほか
 ▲「躍動する魂のきらめき――日本の表現主義」 名古屋市美術館ほか
 ▲「アーティスト・ファイル2009」 東京・国立新美術館


山下裕二(美術史家)
 ▲「牧島如鳩展」 足利市立美術館ほか
 ▲「“文化”資源としての〈炭鉱〉展」
 ▲「医学と芸術展」 東京・森美術館


私、今年は(も?)全然美術館に行けてないのだ。一回行くと2時間位は観るので結構体力いるんですよね(普通に歩く速度で観る人もたまにいて驚きますがw)。今年行ったのは(小さい美術館含む)たぶん…


・堂本印象美術館「抽象への飛躍」展(京都)
・「アヴァンギャルドチャイナ/アニマルズ in Aichi Arts Center―三沢厚彦の世界」愛知県美術館
・「アーツ&クラフツ展 ウィリアム・モリスから民芸まで」愛知県美術館
・「ジュゼッペ・ペノーネ展」豊田市美術館
・「躍動する魂のきらめき 日本の表現主義展」名古屋市美術館


だけっス…。もっといろんなの行ってみたいんだけどさー。そうそう、上で美術評論家の北澤氏が豊田市美術館の「近代の東アジアイメージ」展を挙げてるので、「え?こんなのやってたっけ?」と思って調べてみたら、ちょうど今開催中なんですね(もうすぐ終わる)。体調良ければ今年の美術鑑賞の締めにこの展覧会行ってみたいな。豊田市美術館は建築(設計:谷口吉生)も素敵ですよね。ここに行く時はだいたい豊田のダーシェンカ行ってパン買って車ん中で食べて美術鑑賞に臨みます(笑)。


今年の私の数少ない美術鑑賞の中で敢えて(無理矢理)イチバンを決めるとしたら…やっぱり「ジュゼッペ・ペノーネ展」だな。アーツ&クラフツや民芸は好きなだけにどんなものが展示されているのかわかっていたし、あまり驚きがなかった(良いな、という確認になってしまった)。けど、ペノーネの作品って「え?なに?なに?」という新たな感情が生まれたので(どういう感情かは言葉に出来ないけど)。


ジュゼッペ・ペノーネ展@豊田市美術館 - 靴紐直して走るだけ
毎度の拙い感想文…


来年はもっといろんな美術館に行ってみたいな。チガウ! 肝心なことを忘れていた! 上の引用にある横尾忠則の「人は言葉をまねしながら成長していきます。芸術だって、完全なオリジナリティーなんてあるのかどうか」という発言は、保坂和志が言っていることと同じだなぁと…(ごめんなさい、うまく言えないやw)。