大人も子どもも楽しめるアニメーション&実験映画

愛知芸術文化センターのテーマ上映会「イメージ・ワンダーランド」のPart2が始まりました。今日はAプロ、Bプロを鑑賞(上映会詳細)。


Aプログラムは、「動きの原点を探る」をテーマに7作品の短編を上映。古川タクの『驚き盤』は、カタカタカタ…という音とともに盤がどんどん変化、回転していく様子が面白かったです。ジョナス・メカス『サーカス・ノート』。まだ上映が始まったばかりだというのに、回りにはすでに寝息を立てる人も…。彼の映画はノスタルジックな雰囲気が漂っているから思わずウトウトしてしまうのかも。「サーカス」自体、なにか郷愁を漂わせますもんね。タイトル通りサーカス(象だったり、人のアクロバティック的な動きだったり、空中ブランコだったり)の映像がコラージュされた作品。スローモーションになったり、早回しになったり、ピントぼけたり(このぼけ具合が素敵…)のテンポが絶妙。カントリー調の音楽とともに、楽しく、懐かしく感じました。瀬尾俊三『フィルム・ディスプレイ』は、フィルムそのもので遊んだ作品。フィルムを動かしてアニメーションの用に見せてました。


居田伊佐雄『オランダ人の写真』は圧巻。鏡の中に鏡が写ってて、その鏡にまた…というアレが写真の中で繰り広げられてる感じ。それがフィルムで撮影されていて、しかも、中に写っているものが動くんだからたち悪い(笑)。どうやって撮ってるんだろう。面白くて目が離せませんでした。伊藤高志『悪魔の回路図』は、あれどこだろな、池袋のサンシャインですか?(違ってたらスミマセン)ま、あんな感じの大きな一つのビルを色んな角度から撮影し、まるでその建物自体がくるくる回転しているように見せていました。ちょっと目が回りました(苦笑)。タイトルの『悪魔の回路図』ってどういう意味が?と考えてしまいました。(サンシャインだとしたら)「あそこは巣鴨刑務所だったから悪魔??」と支離滅裂な考えが頭に浮かんだり。。佐藤義尚『STRIPES』は、ストライプ(縦線)がテーマの映像。途中、踏切りの棒が音楽に合わせて動くところで思わず笑いも(歌舞伎調の音楽に良くあってたんで)。宮崎淳『A LITTLE PLANET 〜小さな惑星〜』は、すみません、個人的にはいまいち分からなかったです。ビデオ作品だから、映像がスクリーンに出た時、それまでが16mmという大好きな画質の映像だったので、いきなりビデオの映像が出てひいてしまったというか、客観的になってしまったというのもあります(でも、最近みんなビデオ作品だったりしますね…)。以上でAプロの終了。やっぱり、メカスがいちばん良かったです!


Bプロのテーマは「アニメーションと音楽の出会い」。でも、最初の作品はサイレントなんですが(苦笑)。オスカー・フィッシンガーの『ラジオ・ダイナミクス』は、音は無いもののアニメーション(図形)の動きが一定で、心の中のリズムと一体になれる感じ。色使いが私の好きな色合いだったのも安心して眺めていられた要因かも(淡い緑、ベージュ←このブログの色!や、茶色、青など、どれもどきつい色でないところが…)。ジェイムズ・ホイットニー『ラピス』、ジョン・ホイットニー『アラベスク』。どちらも、抽象的なアニメーションの動きでした。正直、ホイットニー兄弟の映像の違いがはっきり思い出せなかったりしますが(汗)。CGなどが多用される昨今ですが、このようなシンプルな映像を観るとそれが人工的な動きであることは確かなのに、なぜかほっとします。つーか、フィルム使用でこんな幾何学的な動きを見せられるんですね! それに驚愕です。90年代初頭、CGの技術がようやくもてはやされた頃、『ビデオドラッグ』という若手のクリエーターたちが作ったCG作品集とやらを買って観たことがあるのですが、あれは最低でした!(笑) 著名な人もいたけどね。ホイットニー兄弟の作品は60年〜70年代の作品なのに、ちっとも古く感じないのが凄いです。ちなみに、ジョンの息子らも同じ道に進んで「ホイットニー一家」とも呼ばれているとか。


最後に石田尚志『フーガの技法』を鑑賞。これは以前にも観たことがあったのですが、少し寝てしまった記憶が…。今回観てやっと分かったのは、白い四角いモチーフは譜面紙で、うにょうにょするアニメーションは音符か!ということです。気づくの遅すぎ(苦笑)。音楽に合わせ、そのうにょうにょだったり四角いイメージが動いていて面白かったです。このテーマ上映会は来週土曜日まで開催されています。たぶんまた観に行く予定。トニー・ヒルビル・ヴィオラの作品を観てみたいので。