青少年のための実験映画&ビデオアート入門−1日目

今日観た作品は、ナム・ジュン・パイクドクメンタ6・サテライト・テレキャスト』『ジョン・ケージに捧ぐ』『グローバル・グルーブ』の3本。どれもビデオ作品で、時間も30分程度ということもあるし何しろ面白かったので、映画を観るとすぐ眠くなる私なのに、今回はずっと目はぱっちりでした。


ドクメンタ6・サテライト・テレキャスト』では、TVブラだったり、ピアノを破壊したりなどのパフォーマンスが見れました。ビデオ「アート」というだけに難しいかな?と思いがちですが、特にパイクはユーモアのある人らしく楽しくて! この日は小学生の男の子たちがお母さんと一緒に観にきていたのですが、その子たちも素直に笑ってたのが微笑ましかったです。「ドクメンタ」とは、ドイツで5年毎に行われている現代美術のイベント展。このドクメンタ6ではビデオが芸術として評価されるきっかけに。ヨゼス・ボイス、ダグラス・デービスとの共作とのこと。そうそう、これ、ドイツ人がナビゲーターだったのですが、作品自体はアメリカのものだからか英語で吹き替えが入ってまして「どっち聞いたらいいのか〜!」と混乱しました。って、両方ともたいして聞き取れないけど(笑)。のびゅさんがドイツ語を勉強してるのを見守っていたら、自分もドイツ語に慣れてきてしまって…。英語も短大で英文科だったわりに話せず聞き取れずでダメダメなんですけどね。


ジョン・ケージに捧ぐ』。タイトル通り、アメリカの前衛作曲家ジョン・ケージへのオマージュ。ケージのパフォーマンス(街中での『4分33秒』など)は圧巻。でも、そればかりではなく、パイクの映像コラージュも満載で、何故かチータ水前寺清子)が出演のペプシコーラCMが流れたりして(笑)。ビデオという素材での遊びが芸術的でありつつ、面白おかしく、特に評論家(らしき)おっさんが真面目に語っているところを短い間隔でリピートし、まるでどもっているように編集してたのには思わず笑ってしまいました(子供は大爆笑)。


『グローバル・グルーブ』。これは、文情ゼミで少しだけ観ていて続きが観たい〜!とずっと思ってたんで、今日いちばん楽しみにしていた作品でした。率直な感想は「予想以上に面白かった〜!」。PVの原型ともいえるこの作品は、1973年の作品。PVが出始めたのは、マイケル・ジャクソンとかマドンナとかいわゆる『ベストヒットUSA』(当時中1な私)が全盛の80年代前半と思っていたんですが、その10年も前にこんな凄い作品があったなんて知らなかったです(恥)。ビデオテープの有効性はこの作品ですべて表現されてるのでは? 80年代のPVブームは何だったんだ?ってくらいです。今観ても全然通用するというか、かっこいいです。この作品にも日本のメディアの映像がちょこちょこ入ってまして、オープニングで「TVガイド」の表紙(見出しタイトルに「ジャネット・リンちゃんが…」とあったのが時代を感じさせます)やまたもペプシコーラのCM(今度は子供が出演のもの)が出て来たり。最初ちょこっと出てきたアレン・ギンズバーグの音楽も怪しくて良かったです(笑)。予定はきついですが、明日の3本も観に行く予定。