香山リカ『貧乏クジ世代 この時代に生まれて損をした!?』


久しぶりの読書はさくっと読める香山さんの新書。これは何年も前に出版されたものなんですが、書店でパラパラ見てたら、その貧乏クジ世代というのは70年代生まれの人たちのことをいうそうで、だったら私もギリギリそれにあたるのかなぁ?と興味が。こんな紹介文も気になって…。

その数、なんと一九〇〇万人!「第二次ベビーブーマー」「団塊ジュニア」と称される一群を含む70年代生まれ。いま二十代後半から三十代前半の彼らは、ひそかに「貧乏クジ世代」とも揶揄される。物心ついたらバブル景気でお祭り騒ぎ。「私も頑張れば幸せになれる」と熾烈な受験戦争を勝ち抜いてきたが、世は平成不況で就職氷河期。内向き、悲観的、無気力…“自分探し”にこだわりながら、ありのままの自分を好きになれない。「下流社会」「希望格差社会」を不安に生きる彼らを待つのは、「幸運格差社会」なのか。

でも、読後感は…なんかモヤモヤ。香山さんの本を読むといつも感じる「そうそう!」的なことよりも「これってそうかなぁ?」と感じることも多かったかもしれない。


あ、私自身、自分探しには特に興味がないけど、ありのままの自分を好きになれないというのはあります。そんな人のために、内観療法のざっくりとした紹介も載ってます。これはちょっと参考になる人もいるかもしれませんが、私はたぶん凹むパターンに陥るので(認知療法などで経験済み)やりませんw マインドフルネスの方がまだ私のこころには穏やかかな〜。


共感したのは「ナンバーワンよりオンリーワン」という曲のことですか。「よく考えれば、ナンバーワンなら必死の努力でなれないことはないかもしれないが、真の意味でのオンリーワンほど難しいものはないのではないか」というところ。


「私にしか出来ないこと」「私<らしさ>」を求める必要ってないんじゃないかと最近思うんです(逆に捨てたい!)。ちなみにあの曲は「天上天下唯我独尊」をもとに作ったとマッキーがテレビで言ってたのを見て驚きました。


話がそれました。「この人はいま、どう感じているのだろうか?」と戦々恐々としながら”腹の探り合い"を続けるだけでは、何も変わらない…。」という見出しがあり、確かに今はみんなそうかもしれない。特に私より年下の人たちってそうかも、と思うこともありますが。


自分の好き嫌いよりもまわりのことを気にして何事も考えてるような感じ。これこそ「損」な気がするんですが、自然とそう身に付いちゃったような気もする。ただ、それじゃ「貧乏クジ」を自分でずっと引き続けるわけで、それに対しては

「言葉」「自分」「未来や社会」を、ガッチリとでなくていいから、それとなく信頼してみる。コミュニケーションはそこから始まるのではないだろうか。

と。「それとなく信頼してみる」というのがポイントなのかなぁ。まず「自分」のことから。


香山さんの70年代生まれ分析は、私が70年代とその前の世代をクロスしてるからか100%当たってる!とまではいきませんでしたが「あぁ、たしかにそんな人(自分も含め)多いかも」と思いました。70年代生まれで、なんかいましっくり行ってないとか、これでいいんだろうか?と悩んでいる方に参考になるのでは?と感じます。


また、70年代生まれの部下を持つ方にも参考になるかもしれません。この状況を知れば、部下に対しイライラすることも減るかも?w 知らないよりは対処法が分かるかもしれませんね(苦笑)。