あ、マーチダ先生!


今朝、朝日新聞を読んでいたら、町田康のインタビューがちらっと載っていたので嬉し。ニューアルバム『犬とチャーハンのすきま』についての記事です。読んでてうぷ!って思ったのは、こんな記述があったから。「詩人でもある町田は、今作でも豊饒な語彙で重層的な歌詞を書いている。居場所が見つからない非モテ男の妄想(「頭のなかの青い海」)や、リストラ男の自暴自棄(「饂飩出汁」)など、時代を感じさせる歌詞も目立つ。」って…。大袈裟すぎやしませんか? というか、あの歌をひとことでまとめると確かにそうなるけど、でも、え、え〜っ?みたいな(笑)。


記事の中で気になったマーチダ先生の感じる時代感覚。「ベターっとした空気感、閉塞感、圧迫感。『みんながこう感じてるから自分もそう感じなければいけないと感じている感じ感』」だそう。そ、そうなんだよ…。みんながこう感じてるから自分もそう感じなければいけないというか、感じているフリをしていれば楽だと感じているけど、でも、どうしても出来ない、したくない感じを感じている感じ感な私ですから。ま、単純に、今の社会、居心地悪いw


このインタビューもたぶん後日アップされると思うので(asahi.comに)、これ以上の引用はしないでおきます。視力の良い人は写真から読めるかもしれないけど…。ついでなので、『犬とチャーハンのすきま』について以下に追記しておく。


収録曲は以下の通り。ページ数があるものは『町田康全歌詩集 1977〜』に載っている歌詩です(08以外全部ですけど)。タイトルが本と微妙に違うものもあったので記述。

01 頭が腐る(p.440)
02 俺はいい人(p.466)
03 饂飩出汁(p.462「うどんだし」)
04 頭のなかの青い海(p.482)
05 うどんのなかの世界(p.430)
06 なんで?(p.478「なんで」)
07 道端のおっさん(p.418)
08 ひとり盆踊り
09 あなたの終局(p.426「あなたの終結」)
10 爛漫(p.484)
11 あなたにあえてよかった(p.472)
12 I am full.(p.476「アイムフル」)

「ひとり盆踊り」、見落としてるのかな…(急に不安にw)。本とアルバムの歌詞カード比べてみたらタイトルがひらがなから漢字になってたりその逆も(結構ある)。歌詞見てると細かいところが違ったりしてましたね。たとえば「ヨシダ、イケダ、みんな、ニンゲン」(「頭が腐る」)が、「ヨシダイケダミンナニンゲン」に…。え?細かすぎる? へぇ〜と感じたのは「I am full.」の最後の歌詞「フルになって光り続ける」が「フルになって壊れ続ける」となっていたところかな。じっくり比較したらもっと面白い発見があるのかもしれないけど。


町田康ってどんな歌詞の曲歌ってるんだろう?と思った方は『全歌詩集』を読んでみる(見てみる)と良いかも。でも…私はこの全歌詩集をすでに読んでいたけど、アルバム初めて聴いた時、あの歌詞がこんな音楽になってるとは想像もつかなかったというか、凄い驚きましたね。いや、あまりにも歌詞にピッタリな曲だから。本人が作ってるのだからその世界観は変わらないのは当たり前だけれど、より広がるというか。詩だけを読んで感じていたイメージを良い意味で裏切られた感じ…。語ってるとキリないのでこの辺で止めときます。


犬とチャーハンのすきま
犬とチャーハンのすきま町田康

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町田康「犬とチャーハンのすきま」 - 靴紐直して走るだけ(以前書いた記事です)