池田晶子『残酷人生論』読了

残酷人生論
残酷人生論
情報センター出版局 1998-03-11
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おすすめ平均 star
star池田晶子の最高傑作のうちのひとつ
star池田晶子のエッセンスが凝縮された一冊
star考えることは、悩むことではない

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池田さんの本は私なりに何冊か読んできているので、最初のような驚きは減ってきているのだけど、読めばやっぱり「そう、そうなんだよ!」と思ったり、「え?何?ちょっと分からない」と何度も同じところ読んだりしながらわくわくする自分がいる。この得体の知れない「社会」というものに振り回されている自分を意識し、少し軌道修正してくれる良い機会にもなっている気がする。


この『残酷人生論』は、ひとつひとつのコラム(エッセイ)の文章も少なく一見さくっと読めるのだけど、今まで読んできたなかでも、特にインパクトがあるというかハッキリとした物言いだったように思う。テーマは「生死」「私」「わかる」「魂」「幸福」など。昨年出版された三部作(『魂とは何か』『私とは何か』『死とは何か』)も読み応えがあったけど、この一冊でそれらについても語っているので、池田さんの本を初めて読むという人におすすめしたい気分。今まで、もやもや感じてきた部分がすっきりする人もいるかもしれないし、あらたな考え方(物の見方)に目から鱗という人もきっといると思うんだけどな。