小島信夫・保坂和志『小説修業』読了

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star「小説修行」ではない

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はは、アマゾンのレビュー書いてる人が言う通りなんですが、この本に小説の書き方などが載っているわけではないのでそれを目的で読むと不満がたまるでしょうが、別に小説家を目指しているわけでもなく、数多の名作を読んで来たわけでもない私が何故か楽しめた。というか、とても面白くて途中で止められなかった。保坂和志のエッセイは何冊か読んでいるので確かに同じことを言っているなぁというのは事実。だけど、いままでのと違うのは小島信夫と往復書簡という形になっているところ。この小島先生の返しが凄いんだよ〜。凄いって言っても、笑っちゃうほどの凄さっていうか(笑)。なんかず〜っとこの二人の対話を聞いていたい気分になりました。


話のテーマは小説をめぐることがもちろんメインなんですけど、何がそんなに面白いのか?と訊かれても困る…(苦笑)。目次からタイトルを抜粋…。

1 リアリティ、『杜子春』、夢、猫、鬼、喜怒哀楽
2 偶然、リアリティ、『私の作家遍歴』、トルストイ、平凡なるもの
3 『プレーンソング』、身をやつす、<使い尽くす>、<自然ぜんたい>、<人間ぜんたい>、トルストイ、「さらば、我ら何をなすべきか」
4 小泉八雲トルストイ、ストーリー/人間、<平凡>、<当たり前すぎるために私たちが日頃気づきそびれていること>
5 ゴーギャン、作品に先立つチェーホフのモチーフ、ジョイス、「進化論」
6 トルストイ、「百年前の作品だが、それから少しも文学は進んでいない」、部分は全体を写さない、『うるわしき日々』の”黄金律"
7 化学的な思考/比喩的な思考、『変身』、「カフカの散文が思考を述べることは滅多にない」

こういった感じで、15回続くんですけど。。上の目次で気になるところがあったら是非読んで見てくださいな(投げやり…w)。上にあるように、トルストイカフカチェーホフの作品も読みたいなぁとは思いますが、小島信夫の作品をもっと読みたいなと思いましたねぇ。特に『うるわしき日々』と『美濃』(もっとメジャーな『抱擁家族』や『アメリカン・スクール』を読むべきかしら。既に積読本だし)。

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star抱擁家族の家族の30年後
star好き嫌いで言うと好きではありませんが、
starまったくうるわしくはないのだが

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話変わるんですが、読んでいて、保坂和志が今連載している小説がとても「腑に落ちる」という感覚になりました。決して小説が「理解った」というわけではないですが。これ以外、なんも言えねぇ(古)…w

※追記
あまりにも…な感想文なんで、後日もうちょっとまともな(2割増位を予定)感想を書こうかと思ってます…。