こぎんのお話

ハンズ名古屋店で、弘前こぎん研究所の所長さんのお話が聞けるイベントがあったので意気揚々と出掛けてきました!w こぎん刺しのことは、数年前民藝に興味を持ってから知ったのですが、(民藝の本で)見た瞬間一目惚れ。そしたら近くの雑貨屋さんでこぎんの小物を扱い始めたので、今日も店頭にあった、しおりやペンケースをそこで買いました。しばらくしたら今度はフェリシモ(通販)で、こぎんキットを扱い始めたので無謀にも挑戦。ま、キットなんで大きな目だったのもありなんとか完成しましたが(id:n_n:20081015:p1)、実際自分でやってみたからこそ、この手仕事の凄さを実感した次第です。

 
ハンズの手芸売り場の小さなスペースでお話が始まりました(上の写真は所長さんが登場前にぱちり)。お話は、こぎんの語源などから。こぎんが好きといいつつ、その意味を想像したことなかったのですが(苦笑)、もともと江戸時代に全国的に使われていた言葉で、コギヌ=コ(小さい)ギヌ(着物のこと)で、働く時に着る麻の短い上着(仕事着)のことだそう。実際に、本物の(約100年前の)こぎんの作業着を見せてもらったのですが、左肩の部分が作業で破けたと思われ、本当に使われていたんだなということが分かりました。こぎんは藍染めの麻に棉の糸に縫うのが基本なのですが、藍染めというのは布を強くしたり、虫除けの効果もあるそうです。


こぎんは、東こぎん、西こぎん、三縞こぎんなど地方によって柄が違うんですね。東こぎんは平野部のもので柄は大柄(総柄)、西こぎんは肩に縞模様があるのが特徴で、こぎん発祥の地とも言われているそう。「嫁を取るなら西から」なんて言葉もあるそうです。三縞こぎんはその名の通り三本縞が特徴で金木地区に多いとか。で、青森と隣接している地域でこぎんがされていたかというと、それがまったく形跡がないとのことで、青森県内だけの技術みたいです。


また、こぎんの「モドコ」(こぎんの基礎模様)の解説も。猫に関する柄があったのか!とわくわく。それは「猫の足」と「猫のマナグ」というもの。猫の足の方は「肉球」をかたどったみたいです。そういわれてみれば…って感じかな?w 猫のマナグというのは「猫の目」ということで、まんまるの目というより、キラ〜ンて光った時の目みたいな感じ? 他にも「クルビカラ」といってクルミの皮を剥いた時のような模様だったり、それらのモドコを組み合わせることによっていろんな柄が出来ていくんですねぇ。昔の人は、図案(製図?)とか全く見ずにこれを塗っていたのかと思うと「凄いな!」って…。今の職人さんも慣れるとテレビ見ながらさくさく縫えるようですが(それも凄い!)。


細かくレポしていくとキリがないので省略しますが、所長のお話で「刺しためる(貯める)」という言葉が印象的でした。手仕事は数多くやった人が上達していくそうですが、それには(毎日少しずつ)「刺しためる」ことが重要、と。このこぎんは冬仕事でもあったので、その時期に「刺しためる」。うまく言えないけど、なんか良い言葉だなぁと感じました。ゆったりした時間を感じるというか、時間の重みを感じるというか。


☆しおりとくるみボタンを買ってきました。あと、しおりのキットも(出来るのか??)。

http://takumishop.jp/shop/?id=1008

こぎん刺しの本―津軽の民芸刺繍

こぎん刺しの本―津軽の民芸刺繍

☆これ、本屋さんで見た時悩んだんだよなぁ。凄い可愛いヨ! やっぱ欲しいなぁ…。


ハンズ名古屋店では、こぎん刺し用の生地(オリンパス)と糸が少し置いてありました。こぎんのグッズも少しあります。ていうか、アヴリルの糸とこぎんがあって(少しでも!)私にはこのコーナー楽しいです。他、ハギレセットも可愛いのあったな。リボンコーナー、ボタンコーナーのスペースも広いかな。以前にも手芸コーナーには行っていたんだけど、今の方がいろいろ選ぶのが楽しいスペースになった感じですかね。またいろんな講座など開いて欲しいなぁ。



フェリシモ「コレクション」(頒布会)