笙野頼子『笙野頼子三冠小説集』

笙野頼子三冠小説集 (河出文庫)
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野間文芸新人賞受賞作「なにもしてない」、三島由紀夫賞受賞作「二百回忌」、芥川賞受賞作「タイムスリップ・コンビナート」を一挙収録した笙野頼子の作品集。私は彼女の本は初めて読むのですが、一番最初の「タイムスリップ・コンビナート」から独特な世界に引き込まれてしまいました。「…イラッシャイヨ…」。聞こえないはずの声が耳元で聞こえているような感覚。時代が分からなくなる感覚(最近ではない感じ)。
 
「二百回忌」も奇想天外としか言えません! 笑っちゃうけど、親のこと考えたりしちゃって個人的にはどんよりな面も。「なにもしてない」も、自分の生活と共通する面もあり、むむむ〜って…。これらは一昔前の彼女の作品なんで最近はどんな感じなのか分かりませんが、気になるのでまた読みたいな。笙野さんは三重(伊勢)の出身らしく、近鉄名古屋駅四日市の駅の描写が出てきた時はとても身近に感じました。あ、あの電車の中の様子ね〜なんて。