川上未映子『ヘヴン』読了

群像 2009年 08月号 [雑誌]
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講談社 2009-07-07
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『群像』買ったのはいいけど暑くてだれてて読む時間作れなくちゃんと読んでなかったのだけど、昨日の夕方から読み始めたら、なんつーの、止められない止まらない感じで、半分位まで読み(ホントは一気に読みたかったけど睡魔に負けた)、さっき後半を読み終えました。読後、とてもモヤモヤしたものが残るというか、おいてけぼり感があるというか。決して未映子の文章がどうのというわけではなく、私の中での問題なんですけど。自分の精神的成長の無さに愕然とするというか(笑)。あと、中学校時代のいじめを思い出したりなんかすると、その状況だったり苛める側の言葉使い、表情なんかが思い出されてやるせくなってしまいまして。はぁ…。
 
それと、百瀬の言うことに動揺した。コジマの言うことだって分からなくもないしそう思っていた時期もあった(けど、今は微妙に違うかな)。登場人物の年齢の私だったらそう思ってる。ちょっと前までそう思ってた。百瀬の言うことも分からなくもない。私も主人公みたく、その時思い切り悩んでいればこんな大人にはならなかったかな。いや、こんな大人になってしまったからこそ、この小説が愉しめるのかもしれないなぁ(苦笑)。
 
あと…主人公と旦那とを比べてしまった。いや、正直言うと、旦那はこれを読んで(読み始めて)どう思うのだろうか? 私をコジマと思うだろうか? 光るものは見つけられただろうか、なんて。小説の冒頭にセリーヌの言葉がありました。

それに第一、これはだれにだってできることだ。
目を閉じさえすればよい。
すると人生の向こう側だ。
               セリーヌ『夜の果てへの旅』

セリーヌの『夜の果てへの旅』も読んでみたいです。で、これ読んだ後、未映子の『夜の果ての旅』を聴くと、ふむ〜ってなった(笑)。単行本は9月1日発売とのことです。読んでスッキリするというよりは、じわじわとボディブローのように効いてきそうな感じだな。あ、あれはどういうことだったんだ?とかいろいろ想いをめぐらせるというか。確認の意味を込めてまた読みたい気分です(笑)。

追記

結果的に、個人的には面白く一気に読めたんだけど、最初に数行読んだ時の率直な感想は「これでいいんだろうか…」でした(苦笑)。だから「早く読まなきゃ」って気分にならなかったのかもしれない。難しい言葉を使っていないとかそういうことでもなく、人の気持ちを文章で表現するというところで、いつも同じパターンに陥っていないか?と。とあるインタビューでもそれを指摘されていて、本人もそれを脱したいというようなことを言っていたので、読み始めてそれが出てきた時、これしかなかったんだろうか、う〜ん、って心配になってしまった。今後大丈夫かしら?って(大きなお世話ですがw)。


面白いんだけどね! 早く録画してある『情熱大陸』が見たいわん!