池田晶子『帰ってきたソクラテス』読了

帰ってきたソクラテス (新潮文庫)

帰ってきたソクラテス (新潮文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
「『私』ってのは何だい」「人が死ぬということなんか、ないではないか」「だから僕たちは考えなければ駄目なんだよ」―。史上最強の論客・あのソクラテスが現代ニッポンに甦った。相対するは、政治家、学者、評論家、はたまた老人福祉係、元左翼に人権擁護団体等々。イエスに釈迦まで登場し、尊厳死から性教育まで身近な難問に大哲人が挑む。知の広場(アゴラ)へと誘う平成版対話集。

これ(↑)以上の内容の説明は私には出来ないからスルー(苦笑)。なんというのか、ソクラテスが、対談する人たちを斬っていく(?)様はすっきりするけれど、どっちかというと、私はその対談相手側みたいな思考をする時があり、ソクラテスに細かいところつつかれるとなんかこそばゆい感じがした。それぞれの職業や立場のなかにいるステレオタイプな人びとが出てくるんだけど、たまに、自分にもこういうとこあるな、と感じ、「人のふり見て我がふり直せ」と教えられました(笑)。でも、身近にソクラテスみたいな人がいたらかなりうざいような気もします。。


また、登場人物にクサンチッペ(ソクラテスの妻)やプラトンラスコーリニコフドストエフスキー罪と罰』の主人公)、イエス、釈迦が出てくるところもあり、対話に華を添えてました(笑)。特にプラトンとの対話が面白かったです。といっても、本当の「対話」は読んだことがないのですが(苦笑)。こういう哲学的な本読むと頭がこんがらがる時も多いのですが、日頃から私が考えているというと大げさだけど、疑問に思ってたことなどが取り上げられてるので楽しんで悩めます。こういう話出来る人、まわりにほとんどいないから…。