『話すことが苦手な人のアサーション』

話すことが苦手な人のアサーション―どもる人とのワークショップの記録

話すことが苦手な人のアサーション―どもる人とのワークショップの記録

アサーションの本をまた読んでみました。この本は吃りに悩んでいる方に書かれたものみたいですが、前半はアサーションの解説だったので参考になりました。以下、メモ。

アサーション
 相手も大切にするが自分も大切にする、非主張的でも攻撃的でもないものをアサーションといいます。思っていることを自分なりに相手に言ってみる、ということです。なるべく素直に言ってみることが、アサーションの第一歩です。
 <自分の思いを率直に><相手も大切にしながら>というと、なにか矛盾していることをしなければならないと思う人もいるかもしれませんが、話をするチャンスがきたときには、自分の今の思いや考えていることを率直に素直に、伝えようとすることです。

何か気を使って、自分の思いを伝えられないのよね。それで誤解されて、またストレスたまるという…。なんか私、いつも言われっぱなしでイライラすんだよな(年下の人からも上から目線…)。

 そういう「ああでもない、こうでもない」と解決の道を探り合うやりとりをあたりまえとして対話をすることが、アサーションなのです。そのように考えると、日常の場面で相手と歩み寄る必要があることが分かるでしょう。意見が一致したら、「ラッキー」ですし、一致しなくてあたりまえと思っていると、アサーションがしやすくなります。
 私たちの日常は、アサーションと歩み寄りの繰り返しだということを覚悟していれば、お互いの会話が成り立ちやすくなります。
 葛藤は避けたい、「ノー」も避けたい、と思っている人は多いでしょうが、これを当然だと考えると、引っ込むか強引に出るかの対話は減るでしょう。アサーションは、「言ってみる」ことと「ノー」からでも対話は始まることを大切にすることではないかと思います。

「一致しなくてあたりまえ」か…。そうだよなぁ。自分の意見に一致させよう(合意させよう)という気がどこかにあったかもしれないな。

「論理療法」を開発したエリスという心理療法家は、世の中で常識と思われていることや理想的なことは、いつの間にか「〜すべき」になってしまう。これはおかしいと言っています。
 「うまく話したい」が「うまく話さなければならない」になるのです。
 人間はできないことができるようになりたいと思います。しかし、そうならないからといってだめだとか、劣っていると決めてしまうと、自己非的的になり、苦しむことになります。つまり、現実を見ていないことになります。そういう理想主義的なところで苦しんでいるとすれば、その理想を少し下げてみることが助けになります。

理想や願望が強すぎるから悩むのはあたってますね…。もっと欲がなくなれば(理想が下げられれば)ストレスも減るんだけど。

<エリスのABC理論
 エリスは、人が苦しむのは自分の出来事によるのではなくて、出来事に対してどんな考えをもっているかによると言います。理想は自分の身の丈より少し高いぐらいが適当で、高すぎるときには、現実に近づけてみることを勧めます。高い理想や思い込みで苦しんでいるとき、それを少し緩めるために、以下のような説明をしています。
 私たちは、日常生活のなかで起こる出来事や他者の言動が直接自分に影響していると思っています。あの人がいやなことを言ったから腹が立った、叱られたので落ち込んだ、というわけです。しかし、それでは誰もが同じことに同じ反応をするでしょうか。
「あの人は最近愛してくれなくなった。だから私たちはうまくやっていけない」
 この<うまくやっていけない>(結果C)と不安になったり悩んだりする原因は、<愛してくれなくなったこと>(出来事A)のせいだと思う人は多いでしょう。果たしてそうでしょうか。
 <出来事A>があるから<結果C>があるのではなくて、AとCの間には、<愛がなくなると、関係が悪くなる>という(ものの見方B)があって、AはBを通ってCになることが多いというわけです。
 Bは、ものの見方、考え方、価値観、思い込みなどで、それらは時に現実的でないものもあります。
「愛がなくなると、関係が悪くなる」とその人が考えているから、不安になって悩むのであり、「長い人生では、愛がなくなることもあるだろう、だからといって関係まで悪くなることはない」と考える人は、うまくやっていけないと思わないので、かかわることができるのです。
 出来事と悩みの間には、自分の不安や問題や悩みをつくる考え方が入っています。

自分の思い込みやそれまでの思考が自分を悩ませているんでしょうね。

アサーションの実習>DESC

 台詞づくりの四つの要素を、私は「デスク」(DESC)と呼んで覚えています。

 Dはdescribeの頭文字です。
 相手の言動や状況を客観的、具体的に描写するという意味です。

 Eは、expressとempathizeの頭文字です。
 自分の気持ち・考えを表現すること、相手の気持ち・考えへの共感を伝えることです。

 Sはspecifyの頭文字です。
 相手にとってもらいたい行動を特定して、具体的に言うことです。

 Cは、choose & considerの頭文字です。
 結果に対してどのような対処をするか、考えておくことです。

この順序で会話できると、アサーション度が高くなるということですかね。なかなか難しいです…。これ考えてる間に会話が終わりそう(苦笑)。ま、少し意識するだけでも変わるのかもしれないけど。また、別のアサーション本も図書館で借りて読んでみたいと思ってます。