平木典子『アサーショントレーニング』

アサーショントレーニング―さわやかな「自己表現」のために

アサーショントレーニング―さわやかな「自己表現」のために

とある場所で「アサーショントレーニング」という言葉を見つけ調べてみたら、なんか自分に必要かも!って思い、旦那に本を借りて来てもらいました。アサーションとは「自分の権利のために立ちあがり、同時に相手の権利も考慮する自己表現」。ある心理学者によると、人間関係のもち方には3つのタイプがあり、「第一は、自分のことだけ考えて、他者を踏みにじるやり方、第二は、自分よりも他者を常に優先し、自分のことを後回しにするやり方、第三は、第一と第二のやり方の黄金率ともいうべきもので、自分のことをまず考えるが、他者をも配慮するやり方」だそう。


アサーションというのは、この三種類の対人関係のもち方のなかでは、第三のやり方のことで、コミュニケーションを円滑にすすめるためのスキルといったところでしょうか。この本では、第一のやり方のことを「攻撃的、またはアグレッシブ」、第二のやり方のことを「非主張的、またはノン・アサーティブ」、第三のやり方を「アサーティブ」と呼んでいます。


本のなかにあるアサーション度チェックリストなどを試すと、やっぱりというべきか、思いきりノン・アサーティブ、たまにアグレッシブな自分を確認。アサーションを学ぶ必要があるなぁと感じたのでした。


「なぜアサーティブになることが難しいか」という項目に、「a. 気持ちが把握できてない」というのがありました。まず第一に自分の気持ち、言いたいことが不明確だと表現出来ないのは当然。自分の気持ちを明確に把握するのがアサーションの第一歩ということ、とありました。私はいつも他人の目や世間体(?)を気にして、自分の意見(気持ち)を押し殺している気がする。その時表現出来ないから、家に帰ってきてイライラしたり爆発したり(苦笑)。また以下の文が気になりました。

 実は、自分の気持ちを最もはっきり分かっていて、それを訴えることができているのは、生まれたばかりの赤ん坊です。赤ん坊は、言葉を知りませんので、泣くことしかできませんが、お腹が空いたとき、おしめが濡れて気持ちが悪いとき、抱いてほしいとき、気分が悪いときなど、すぐ表現します。
 しかし、それほど率直な人間の赤ん坊も、やがて、自分の訴えを聞き入れてくれない親の態度や、禁止する親の言動に接して、素直な自己表現をしなくなります。特に、感情を軽視し、感情表現を嫌う親に育てられた子どもは、自分の気持ちを押さえるため、自分の内面に鈍感になります。そして、親の受け入れられる言動だけを選んで身につけていくのです。(中略)逆に表現しない気持ちや考えは強化されないので、だんだん薄れ、忘れ去られていきます。ときには、そんな気持ちや考えがあると、表現できないときに苦しくなるので、自分の中で否認して、すっかり心の奥底に抑圧して、それはないことにしてしまうこともあります。その結果、自分の気持ちがはっきりせず、また、把握できなくなるのです。

う〜ん、思い当たる。でも、親のせいにしてばかりいられないですね。自分でなんとか改善していかないと(もう人生半分以上終わってるし…)。また、アサーティブを困難にしている理由として「b. 結果や周囲を気にしすぎる」「c. 基本的人権を使っていない」「d. 考え方がアサーティブではない」などがあります。この「d.」に関しては、以下のチェックがありました。

・もの分かりのよい人が好かれる
・負けることはよくない
・上司には従うべき
・人を傷つけてはならない

などの考えは、アサーティブではありません。今までなんとなく常識としてきたことも、もう一度客観的に考えてみるのも必要なのかな?と感じました。


ここまで書いてきて…たぶん、本読んでない人にはさっぱり分からない気がするので、たとえばこんなことありませんか?

  1. 頼まれごとを断るとき、いけないことをしているような気がして、罪悪感を感じたりしませんか?
  2. 人から大切にされてないとき、自分が劣っているからだと思ったりしませんか?
  3. 自分の要求や希望を言うときには、控え目にするべきだと思っていませんか?

 もし、あなたが右にあげたようなことを感じるとするならば、あなたは性、役割、年齢、地位などによる固定化されたイメージによる行動をしていて、そのために自信がなくなっているかもしれません。つまり、人間が生まれながらにして基本的にもっているアサーション権に無自覚で、社会的に後から作られたイメージを優先させて、自分の行動を規定している可能性があります。
 アサーションは、そのような自他を差別する基準をもたないようにするところから出発します。したがって、誰にも認められているアサーション権を知り、それに確信をもち、それを大切にしようとする意志が必要です。

なんとなく分かりませんか?(苦笑)

アサーション権】

  1. 私たちは、誰からも尊重され、大切にしてもらう権利がある。
  2. 私たちは誰もが、他人の期待に応えるかどうかなど、自分の行動を決め、それを表現し、その結果について責任をもつ権利がある。
  3. 私たちは誰でも過ちをし、それに責任をもつ権利がある。
  4. 私たちには、支払いに見合ったものを得る権利がある。
  5. 私たちには、自己主張をしない権利もある。

と、まぁ、最後は難しいような言葉になっちゃいましたが、ストレスをためない生活のためにはアサーション<自己表現>トレーニングが必要だなということです。アサーティブな考え方になれば、自分自身もっと楽になれると感じました。自分の言いたいことを素直に表現できればな。自分自身が怒りだったりストレスを作っているのは、ほんともう身にしみてますから…。