『建設的に生きる』D・レイノルズ

建設的に生きる―「森田と内観の展開」

建設的に生きる―「森田と内観の展開」

 
タイトル通り「建設的に生きる」方法が、森田療法内観療法の視点をふまえ紹介されています。「方法」といっても、手取り足取りではありません。最終的には「自分の」頭で考えること、「行動する」ことが大切ということですね。私は先月から外来森田療法を受け始めました。最初は、思ったよりキツいというか「冷たい」というか冷酷な印象でした。先生の「頭では何を考えても良い。行動をすること」というアドバイスに、それも(頭では)分かるけど「私は痛みがあるから動けなくてこんなに悩んでいるのに(しょんぼり)」と思ったこともあります。


でも…最近、少しずつ分かってきた気がするのです。とにかく「行動することが大事」ということが。だけど、痛みが相変わらずだと、元のわたしに戻りがちなので、う〜ん、一進一退を繰り返している感じではありますが。


本の話をしますね(苦笑)。森田療法の本はいくつか読みましたが、結構ズバっとっていうか、鮮烈(?)な小見出しとかついててハッとしましたね。最初にびっくりしたのは「自分は馬鹿だと思いながらも、努力してください」(苦笑)。以下、そのページから引用しますね。

 森田博士は、「心に何か迷いがあるときや、悲嘆にくれているときでも、積極的に活動するよう、心がけなさい」と説いています。(中略)苦しいときに自分を元気づけたり、すべてがうまくいくだろうと、自分に言い聞かせる必要はないということです。失敗や能力の限界を心配したり、たとえそれが現実となって、希望を失い悲嘆にくれても、それは仕方のない感情で、悪いことではありません。「どんなに嫌な感情も、払いのけることはできないという事実を、しっかり受けとめなさいと博士はさらに説いています。不安や悩みを抱えつつも、周囲に対して積極的に意識を働かせるのです。(中略)絶望しているときでも、身のまわりのゴミはたまっていきますから、きちんと捨てるべきでしょう。悲しいときでも、もうすぐ訪れる休暇の計画は立てておいたほうがいいでしょう。落ち込んでいたって、ヒゲは伸びますから剃ったほうがいいでしょう。(中略)
 自分は馬鹿でも、ある程度うまく生活することはできます。

といった具合です。他にも「あぁ、これは〜」と考えさせられるというか、(神経質症な私には)目からうろこなこともありました。つーか、私は典型的な神経質症だと再々認識させられましたね(笑)。また「森田療法」カテゴリでこの本から少しずつ引用していくと思います。自分へのメモのためでもあるけど。


構成は第1章 建設的な生き方の「基礎知識」、第2章 建設的に生きる人々、第3章 格言、公案、実践課題について、 第4章 読んで考える薬、第5章 寓話となってます。寓話に代表されるように、この本では「喩え話」が豊富で自分のあたまで考えるきっかけ(時間)を作ってくれます。マニュアル通りに生活しうまく行くなら、ここまでスピリチュアルブームも自己啓発本が流行ったり、「うつ」を訴える人が多くならないですよね(ま、私もそのマニュアル人間の一人だったわけですが)。


これから森田療法の本を読まれる方は、是非この本もリストに入れて下さい。森田療法内観療法というものへの興味がない人でも「建設的に生きる」ヒントがたくさんちりばめられていると思います。森田療法の本、私は次ぎこそ、森田療法創始者森田正馬の本を読破したいです(まだ途中なの〜)。