続「靖国」

なんだか凄い「靖国」ファンみたいな感じですけど、そういう訳ではないんですよ(苦笑)。ただ、なんで映画を上映するだけなのにこんなに騒ぎが起きるのかなって。今朝の新聞を見たら、大阪の映画館が予定通り公開することを決めたとか。シネマテーク(名古屋)は「未定」のままみたい。しかし、公開を中止せざるを得ない「圧力」って何だろう。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200804020108.html


私はドキュメンタリーがちょっぴり好きで、今回、この「靖国」のことを考えた時、もう10年以上前にみた『ナヌムの家』というドキュメンタリー作品を思い出しました。
http://www.pan-dora.co.jp/p06.html
http://www.pan-dora.co.jp/nanumu2.html
簡単にいうと「戦時中、従軍慰安婦にされていた女性達を追ったドキュメンタリー映画」。ハルモニ(おばあさん)たちの姿に、のほほんと日々過ごしている自分が情けなくなった記憶が。というか、こういった問題の認識不足を痛感しました…。映画はその数時間で完結してしまうけれど、ハルモニたちの現実は今もずっと続いているのですよね。
ナヌムの家 公式サイト


従軍慰安婦の問題は、ここ数年だっていろいろ取りざたされてるし(その度にこの映画のことを思い出します)、簡単に何かを言える問題でもないんですけど、それって「靖国」問題も同じだよなぁって。「ナヌムの家」を観たことで、私の記憶の中に、貴重な情報が入ったことは確かなんです。だからってどっちに偏るとか、そういうのもないし、逆に中立でいられる気もします。それを、観る機会も与えられないって、時代錯誤というか、なんでなんで?という感じ。それが気持ち悪くて、こうやってこだわってしまっているのかもしれないですが。


ふと感じたのは、「ナヌムの家」が公開されたのは、まだここまでネット社会が広がってなかった時代。最近って(別に「靖国」のことだけでなく)とかくネットでガーッと一方向へ流れていくのが怖い。シロクロつけ過ぎっていうかさ。なんていうの、とにかくおかしい、怖い。とはいえ、私もシロクロつけたがる性格だし、むか〜し慎太郎(知事ね)らが「Noといえる日本」なんてタイトルの本を出した時は「そーだ、そーだ」なんて思って、「ハッキリもの言う日本人」に憧れたもんです(笑)。日本人って「あいまい」な、悪くいえばどっちつかずっていうかそういうところが子供ながらに嫌だった。だけど、最近、「あいまい」は悪!って具合に、「どっち?」を求められているし、それを求めている自分達もいるような。「格差社会」になったのも、そんな自分達が作っているというもどかしさ。この「靖国」が、いま、じゃなくて10年前とかだったらここまで騒ぎになったのかな?ともちらっと感じます。情報がいろんなところへ発信されるのは良いと思うけどさ…。


先日の朝日新聞の書評で香山リカが紹介していたヴァレンスタインの本。書評のタイトルは「「あいまいなことに不寛容」が背景に」というものでした。この指摘は、香山さんが言っているように「精神医療関係者だけでなく」私たちの心にも訴える言葉だな、しっかり受けとめないとなと思いました。(書評自体も面白いので読んでみて下さいね〜)
http://book.asahi.com/review/TKY200804010094.html


夕飯作らないとなのでこの辺で終わりにしときます(笑)。