あたらしい教科書『民芸』読了

民芸 (あたらしい教科書 11)

「民藝って何だろう」という興味から、最初に選んだのがこの本。ズブの素人の私は民藝館のHPなどで民藝関連の人物名や作品類しか見たことなかったので、後半で「あたらしい民芸」として紹介されていたモノには「えぇ、これも〜?」と混乱するばかり(苦笑)。私が最初に持ったイメージ(昔ながらの手作りのものということ)とかけ離れていたもので…。ていうか、手作り感とデザイン性を兼ね揃えたものが「民芸」なのか? そもそも民芸っていうのは「一般の民衆が使っていた生活雑貨としての諸工芸のこと」なんですよねぇ。生活まわりのもの。それに美しさを見いだし蒐集した柳宗悦らが「民芸」という呼び名を与えた、という説明は分かるのです。しかし、それだけでなく(具体的なモノであると同時に)民芸とは「そのモノを見る眼であり、生活についての思想であり、生き方であり、さらには、市場を作り出すパワーであったり」するものらしい。


「眼」の運動としての民芸運動は「それまでは、全く美的だとは思われていなかったものや注目されていなかったものの中に、新たな美しさを発見してきた。この美の発見のプロセスは、いわば民芸運動の真骨頂でもあった」。うん、これもなんとなく分かるんですけど、でも、自分の中でなんかモヤモヤが残るのです。「見る眼」を踏まえれば「±0の加湿器」も現在の民芸なのも分からなくもないのですが、最初の「一般の民衆が使っていた…」という定義はどこへ?というか←読解力がないだけかも〜(笑) あ、民藝の人物関係は分かりやすかったです。私的には、もっとベーシックな民藝解説が読みたかったなぁ(前半部分短すぎ)。他、本自体の感想として気になるのはとある編集者の文章力のなさ。誰の代筆文読んでも全部同じ語調っつーのはないんじゃないかと(苦笑)。誤植も多いしな。それが残念。


読み終わったのにココロの中がモヤモヤするので、柳宗悦著『民藝とは何か (講談社学術文庫)』(すでに購入済)も読んでみようと思います。そしたら、も少し理解出来るようになるかな〜(微妙…?)。
民藝とは何か (講談社学術文庫)