久司道夫講演会に行ってきた

行ってきました、講演会。会場には200人弱いましたかね(もっと?)。講演タイトルが「女性として、母として」だったのもあり、参加者は女性がほとんど。でも、私の隣の席も男性だったし、予想よりは男性が多かったな。マクロビにハマるのってどうしても料理を作る機会の多い女性が中心だけど、男性が興味を持ってくれるともっと社会に広まっていくのになと思います。


まず、柿本先生の講演「医学とマクロビオティック」。先生は長崎で開業し、治療にマクロビオティックを取り入れています。その先生の経験談が中心ですが、これがほんと面白かった。糖尿病の患者にマクロビの基本である玄米食をすすめてからの検査結果は、驚く程数字が良くなっているのです。薬との併用だけど、ありえない血糖値を示していた人も、正常範囲まで落ち着くとは…。あ〜、この食事(玄米中心の生活)を続けていれば良いんだな、と安心できました(最近ちょっと不安だった)。それと、玄米食を続けていた時は数値が良くなったのに、玄米を途中で止めてしまい薬だけは飲んでたという人の血糖値が上がったということは、いかに玄米パワーがあったかという実証にもなりますよね。先生は病気になる原因は「食べ過ぎ・飲みすぎ・偏りすぎ」ともおっしゃっていました。う、耳が痛い(苦笑)。健康に良いと言われるものでも、食べ過ぎは良くないですよね。また、これらはマクロビに心酔している医者が言ってることじゃないか、食事ごときで病気が治るのか! という人もいるでしょう。そういう人には、医師会の冊子にも「病気の源も『食』であり、治すのも『食』につながる」と書かれていたということを紹介しておきます。


栄養学の話は前からモヤモヤしていた点が、クリアになりすっきり!(笑) 栄養の「必要量はいかにして求められるか」って、知ってます? 私は知らなかったけど、なんでこういう数値が出てくるのか、それらの数値を守れば健康になれるのか? みな(同じ年代:性別で)同じ数値で良いのか?などが疑問でした。だって、この数値が正しければこんなに病気になる人が増えないはずじゃないですか。足りない要素をサプリで補えば病気にならないはずでしょ? で、結論。国立健康栄養研究所の講演によると「(必要量の数値はいかにして作られたかというと)人間を使っての実験はたんぱく質のみで、しかも、世界人口60億以上の中でわずか154人(日本人は11人)」なんだそうですよ。なんじゃそりゃって感じですよね(先生のブログにも記述あり)。しかも「20代の男性対象」の実験だそう。で、その結果「これ位ではなかろうか」という推定必要量なんだって! つまり「栄養学は根拠がはっきりしていない」ともおっしゃっていました。なんだかなとも思うけどやっぱりという気もしますよね。個々で必要な栄養は違うだろうしさ。


怖いなぁと思ったのは「妊婦栄養基準の問題」。一例を挙げると鉄とビタミンAの関係なんですが、鉄の推奨量は20mg、ビタミンAの上限量は3,000μgREとのこと。貧血対策として豚レバー50gを取ると、鉄は6.5mg摂取できます。ほうれん草(生)だと2.0mgです。あぁ、こういう食事で補えばいいのねと思いがちですが、じゃぁ、それだけの鉄分を取った場合、ビタミンAの量はどうなるかというと、レバーが6500μgRE、ほうれん草は5000μgREだそうです。つまり、鉄をしっかり取ろうと思って食べたらビタミンAは上限量を軽く越えてしまっているということです。なんてアンバランス! しかも、ビタミンAは脂溶性ビタミン。体に残ってしまいます。そして過剰なビタミンA摂取は胎児の奇形につながることもあるそうです。栄養学はよっぽど詳しく勉強した人はともかく、一般人が安易に盲信するのは危険ですね。栄養学の裏に隠れた危険に注意!といいますか…。先生の「栄養素に関しておびえなくても良い」というアドバイスに気楽になれた私でした。先生のブログもとても参考になりますよ。


で、ようやく本家登場(笑)。久司氏はヒョロヒョロしてましたが、立って話をする時間も多く「私より体力あるかも…」って感じでした。ときおりジョーク(?)を交え、マクロビの基本である陰陽の話、そして、女性が「家庭料理」を作ることの大切さなどを話されました。「愛」というのは陰陽の引き合い。「求める」ものから「育む」ものへ。「食事で体(血液)も、心も変わっていく」「女性は命の主人公」「家庭料理というもので家族の健康(人生)までも支配している。それは「育む」ということになり「愛」「喜び」が充実する」というようなことも。他、この病気の原因は「〜〜のとりすぎ」などの解説。これは著書などにも紹介されている内容と同じですが、再確認といった感じ。「手の指の間に水かきがある人いますか〜」という問いには、みな自分の手を確認。私は確認するまでもなく水かきがあることを自覚していたんですが、そういう人は、母親のお腹の中にいる時、母親が甘いものを食べていたりと陰性の力が強かった=引き締まる力がなかったということなんだそうです。え〜?そんなことあるのかな〜?と思いつつ、身体の神秘といいますか不思議(?)について興味があり『マクロビオティック健康診断法』を購入したのでした。


「日本の伝統的な食事をとる」ことで「母親としての「愛」を持ち」「美しく美味しく楽しい料理を作り育んであげてください」というメッセージが最後にありました。「食事をきちんとすれば、悩みは解決する」という言葉も信じてみようかなと思いました。去年、「アンチクシマクロ」だった人とは思えない発言に自分でもびっくりです(笑)。

※その後マクロビ生活は止めることにしました(2008.3)