『スピリットとアロマテラピー』読了

スピリットとアロマテラピー―東洋医学の視点から、感情と精神のバランスをとり戻す

スピリットとアロマテラピー―東洋医学の視点から、感情と精神のバランスをとり戻す


タイトルにもあるように、東洋医学の視点=陰陽五行説をアロマに取り入れたユニークな本。巻頭に、陰陽五行の解説もありましたが、初心者の私にはちょっと難しい点も…。でも、その精油の精神面での働きを詳しく解説していてハッとすることも多かったです。私は、フランキンセンス、サンダルウッド、ゼラニウム、パチュリが特に好きなのですが、これらは全て五行のなかの「土」に分類される精油なのです。「土」というのは「滋養を与えること」。「「土」の気を豊に持つ人は思いやりにあふれ、誠実で、保護する気持ちが強い」そうなのですが、私はどうやら不調和、もしくは気が不足してる様子(笑)。不調和により共感を欲する気持ちが募ると「思いやりと守護を激しく求めるようになり」、気の不足では「自分自身を抑え、救う能力が枯渇する」とのこと。ちなみに、この問題にはマージョラム精油が向くそうなんですが、マージョラムも大好きな私ってやっぱり?(苦笑)


巻末には「バランスをとり戻すには」といった、よりスピリットに詳しい解説があり、「土」の性質のうつ状態のページには「問題の根本を、一種の自己否定や不安から生じた切迫状態に求めるとしても、「土」のうつ状態の特徴は自己を充足できないことに端を発し、それに続いてスピリットが重苦しくなるのです」と…。あぁ、これも私のことだ〜(笑)。


40種の精油の解説も植物学的考察〜歴史的背景〜五行の関係〜スピリットといった感じで読み応えがあり、ひとつひとつにあらたな発見も。なかでもクラリセージ。クラリセージは、嫌いでも大好きでもなく、普通に渋い香りだな〜、香ばしいな〜なんて思ってたのです。が、ある日突然、甘く感じたんですよね。よくクラリセージの香りのたとえに「マスカット様」「ナッティーな」なんて言葉が並び、「どこが!?」と突っ込み入れていた私が、「あ、これマスカットだ〜!甘い!」と。なんでこんなに惹き付けられたのかなと、クラリセージのページを読むと。。「精神疲労と神経衰弱によく、神経系を含む一般的な強壮作用がある一方で、心を鎮め、緊張をほぐすのにも役立ちます。強壮をはかりながらもリラックスさせるクラリセージ油は、心と感情の高揚と、この精油に特徴的な至福感をもたらす全体的な働きがあります」。単に、疲れてんのか…とも思ったのですが、詳しくみていくと、クラリセージの甘さは「「土」の特質であり、心を安定させ、確信をもたせる力を反映しています。さらに、穏やかな辛味が感覚を呼びさまし、幻想を一掃させ、その名にふさわしく明晰さを回復させてくれます。そのため、クラリセージ油は気まぐれ、優柔不断、感情的な混乱が目立つ不安や落ち込みに適するのです」。う〜ん、心当たりあるなぁ。


精油の成分から効能を求めて使うのもいいけど、自分の好きな精油が(陰陽五行的には)どのような働きのものか、または、自分の精神面で気になる点を挙げ、それに合った精油を選んでみるのも面白いかも。今後も長い付き合いになりそうな本です。