香山リカ『「だましだまし生きる」のも悪くない』
光文社 (2011-02-17)
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香山さんのいつもの本と違う本人が自分のことを「語る本」。「恋愛・仕事・別れetc.」「初めて語った、知られざる素顔」という帯の一文にどんな人生だったんだろう?と思いましたが、ご本人も語っているように、そんなにドラマチックなことはなかったような…? でも、語りだからそう感じただけで、もしこれが原稿だったらきっとドラマチックになってた気もする。高校で上京を決めるってなかなか出来ないことだし、医者をしながらライターの仕事もしたり…。
本の中では、家族環境のこと、受験に失敗したこと、仕事や就職について思うこと、そして結婚についても語っています。女性はとかく人と比べがちなんだけど、香山さんはそれがない。「1位になったところで、それがどうした」と言っている個所がありましたが、それが根っこにあるからサバサバしてる(見える)のかもしんないな。その部分から少し。
私たちが平凡な生活の中で、「誰・彼に勝った」ところで、そこになんの価値があるのだろうというのは、ずっと私の中にある疑問なんです。「それがどうした?」っていう感じがいまでもするんですよね。
第1章「原風景」の個所から。
親子だけでなく、恋愛でも、夫婦でもそうだといえると思いますが、診察していて思うのは、「お互いのことって本当にわからないものなんだな」ということです。
それは「わかりあえないからダメ」と思うのではなく、「しょせんは他人なんだから」と心がけておくのが大事だということです。
これも心当たりのあること。「なんで分かってくれないの?」と思うからイライラするんですよね。特に身内に。最近、私も「わかりあえることってないんだろな」と気づいた次第です。
あと、これは今の体調や気分の不調があるから気になった個所なんだけど
つまり、人間の気持ちとは、体調で成り立っていると言っても言い過ぎではないんです。
そんな言い方をすると人間は野生動物のようですが、実際、人間は体調によって気持ちがものすごく変調することがある。
体調を整えるのが先か、ストレスを解消するのが先か、というか、どっちとも治るのかな?と疑問な日々で塞ぎがち。塞ぎがちだから治らない…という悪循環になってるのかも。どっかでこの状況から抜け出したいなと思っています。今日も病院で薬を貰ってきました。今度は効くといいのだけど。2ヶ月風邪が治らないから…と悲観的にならずに、毎日を淡々と過ごしていくのが良いのかもしれませんね(これが難しい)。
さらりと読めるので、香山さんの本を読んだことはないけど、どんな人なんだろ?と興味のある人にもおすすめ。