香山リカ「むくわれない生き方」を変える本
- 作者: 香山リカ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2011/03/18
- メディア: 単行本
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香山さんの本は、私にとって一種の精神安定剤のようなもの(苦笑)。読んでる間はすっと体に入ってきて少し楽になれます。今回のタイトルにある「むくわれない」気持ちというよりは、「ついてないな」という言葉の方が私にはしっくりくるのですが、まぁ、思ってることは同じなんですかね…。
この本では「人はいったい自分のどういう状態を「むくわれない」と思いやすいのか」という心理についてやそれを誰に感じてしまうのか。それであったら「むくわれた」という喜びを感じるにはどうしたらいいかが、香山さんの日頃の診察における経験からいろんな例を挙げ語られています。
シンプルに一行だけ引用します。「他人がいるとそこには必ず「むくわれない」という感情が生じる」(p.44)。たしかにこれに尽きる気がしますね。香山さんは以前『くらべない幸せ ?「誰か」に振り回されない生き方?』も書かれていますが、他人と自分を比べることでさまざまな感情が出て来て、その「考え」は「事実」ではないと客観的にみればそうなんだけど、当の本人にとっては、事実以外の何ものでもない、ということになってしまうんですよね。今、とある心理療法の本を読んでいるのですが、そこにも同じようなことが書かれていたので、あーなるほどと自分の中で消化出来た感じです。
しかし、頭でわかっても、なかなか行動にうつせない私。実践出来ていれば何冊も本を読む必要もないですしね(苦笑)。いつも、香山さんの本を読んで「そうか、そうだよね」と気楽になってはいたのですが、今回はこの本の後半まできても「やっぱり私はついてない気がする」と思ってしまいました。そしたら、巻末に「それでも「むくわれない」と思ったときの七か条」が解説されていたのでちょっとほっとしました。劇的な効果はないかもしれない。でも、少しのこころがけでそのストレスは少し減るかもしれないなという期待がもてました。