町田康×寺門孝之レクチャー@四日市メリーゴーランドその1


先月、2/21(日)に四日市の絵本屋さんメリーゴーランドでマーチダ先生と寺門孝之さんのトークショーがありました。去年から楽しみにしてたので、行けて良かった! 体調が悪く前日まで行けるかどうか微妙だったので…。いやぁもう、町田康は私がいちばん好きな作家でありますし(その割に全ての著作を読みきれてないんだけど…汗)、特に初期の装画が好きで、それは寺門さんが手がけたものだったりするので、この2人の対談がとても楽しみで楽しみで(上の写真は開演前にパチリ…。真ん中のイラストは当日寺門さんが持ってきたもの)。


町田康の進行によりだらだらとwトークが始まりました。まずは今回この2人でトークが行われるきっかけになった絵本『猫とねずみのともぐらし』についてのことから(文・町田康/絵・寺門孝之)。グリム童話の元の話では、猫がねずみを食べてしまうという結末なんだそう(追記2009410/id:n_n:20100411p1 ←河合隼雄『猫だましい』にあらすじが載ってたので引用しています)。「不条理をどう自分で消化するか」。最初は猫とねずみということで「トムとジェリーに接続しようとした」そうですが(確かに、これを読み始めてふとトムとジェリーが頭に浮かびましたが)、他に何かないか模索した時、メルヘンにはマリア様だったり王子様、お姫様などの「出来上がったもの」が登場することに気づき、そこに着地したそう。「それらはキャラクターであり、生活が見えてこない。生活見えたらマリア様ではない」。この「出来上がったもの」が登場することで、より面白みや不条理感が増している気がします。また、寺門さんは「『宿屋めぐり』とこの本の印象が同じ」とも言っていました。



☆左が近々発売の大きいバージョン。右は昨年発行のミニバージョン。


そして、二人の関係(創作)についての話に。いちばん最初にコンビを組んだのは、町田康の2冊目の本『壊色(えじき)』だったそうで、寺門さんがその本を持って来ていたのですが、あの表紙は初めて見ました(ちょっとCG色強い)。寺門さんはそれまでCG制作をしていたので、ちょうどイラスト方面へ移行しようと決めた時期で転機になったとか。さらに大きな転機は『きれぎれ』。町田康は、エッセー本では寺門さんに「あの絵がいい(使いたい)」などリクエストするそうですが(『耳そぎ饅頭』の表紙の猫など)、小説では「好きにしてくれ」という感じだそうで。で、寺門さん曰く「(町田康の作品は)人生入れ替わったり、巻き込まれたり、パラレル的世界に見える。『きれぎれ』はそれが象徴的」と。そして「この作品で芥川賞をとるんだ」と直感したそうです(それを意識して表紙の絵を描いた)。

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☆表紙の猫の絵はマーチダ先生のリクエス


と、こうやって書いてくと真面目な話ばかりしてそうに聞こえますが全然で、50近くの男性(俗におっさんとも言う)とは思えないほどくだらない話も多く笑えました。昔、2人でバリ旅行にいった時の話(プールで「水中舞踏」?をしたり、シャンパン飲んでばかりいたり、出掛けなかったり)とか、寺門さんが中華料理屋で冷やし中華を頼んだら麺が生だったとか…(苦笑)。その場にいると笑えるんですが、言葉で再現しても面白くないので省略します……。そうだ、寺門さんが町田康のエッセイでひげそりの話を読んでどうのこうの…というやつですが、そのエッセイ私も読んだことあるんですけど、どの本に書いてあったのか未だ見つからず。驚いたのは、町田康がそのエッセイのことをすっかり忘れていたことです。書いてしまうと、すぐ忘れてしまうみたいです。


そして、町田康による絵本の朗読。やっぱいいっすな、ご本人の朗読は。自分で読んだ時より面白さ倍増だったよ。


中身がないわりに長文になってきているので、一旦休憩します…。


猫とねずみのともぐらし
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