いしいしんじレクチャー@メリーゴーランド その3

これで最後です(苦笑)。後半の質問コーナーで、いしいさんが挙げてくれた「古典として残るだろう作家(作品)」をメモしておきます。まず、小島信夫の名が挙りました。残念ながら先月亡くなってしまったらしいのですが、『残光』の書評をいしいさんが『新潮』にて発表したそう。それはまた斬新な書評だったけど、小島信夫さんは「よくわかってるな」と言っていたとか(笑)。『抱擁家族 (講談社文芸文庫)』や『馬』(短編集に収録)の作品タイトルが挙がりました。


そして、筒井康隆マルケスボルヘスに劣らぬ才能だと。『壊れかた指南』を紹介。町田康告白』は調子のいい時に読まないと「持ってかれそう」って! 入門には『パンク侍切られて候』がおすすめだそうです(私、まだ読めてない〜)。
残光壊れかた指南
告白パンク侍、斬られて候 (角川文庫)



最近気になっているのは川上弘美の『真鶴』だとか。いろんな人から「読んだ?」と聞かれるので、「(いしいさんが)好きな感じなの?」と聞くと、みな「そうだ」と返すんだそうです(笑)。明日読むって言ってたけど、どうだったのかな?
真鶴



ガルシア・マルケスは『わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004))』『コレラの時代の愛』が面白かったとも(ていうか、まだ生きてたんだ…(苦笑))。。寺山修司マルケスが好きで『百年の孤独』を元に映画(『さらば箱船』)を作ったほどだったんですよね。マルケスにも手を伸ばしてみようかな…(背伸びしすぎ?)。
わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004))コレラの時代の愛



古いところでは、西脇順三郎(戦前の詩人)の名前も登場。「詩の言葉はホントのものであるから(今読んでも)新しい」「火花が散る感じ」とも。「気になるフレーズがひとつでもあれば、(思潮社などの詩集を)買ってみても」とおすすめしてくれました。「気がつくと『刺さってる』」詩ってどんなんだろう。いしいさんの話は、落語好きだからかきちんと「噺」になってて面白いんですが、本についても面白く語られますね〜。どの本も読んでみたくなる!(笑) あ〜、あっという間の2時間でした。また来年、メリーゴーランドに来られることを期待してます!


その後、サイン会がありました。私は、『ポーの話』と『プラネタリウムのふたご』(文庫)の2冊にお願いしました。先日アップしたいしいさんの写真は店長さん(ひげのおっさん)が撮ってくれたのですが、ちょっとぶれてます(笑)。でも、撮っていただいただけで感謝です。


そして帰り道。さっそくジュンク堂に寄り、小島信夫の『馬』が収録されている『戦後短編小説再発見10』(講談社文芸文庫)をバイ貝。いしいさんが言うところの「不思議な迫力ある小説」を堪能したいと思います。おすすめの本、いろいろ読んでみたいな〜。新作『みずうみ』も、早く読みたいです(発売は来年でしょうケド)。