高取英『寺山修司 過激なる疾走』読了

寺山修司 (平凡社新書)


明日の「寺山学会秋季大会」までにいくつか寺山作品を押さえておきたかったのですが、結局この1冊しか読めなかった(歌集など読みたかったな)。でも、この本だけでも何冊も読んだ後のような充実感があるので良しとします(笑)。たんなる作品論でなく、寺山修司がどのような時代背景や環境(人間関係含む)で作品を生んできたかがわかる感じ。『書を捨てよ、街へ出よう』が発表された時、私は産まれたばかりなわけで、当時のことを頭の中で想像するしかないのですが、漠然と想像しても何にも見えない。それが、数々の作品、作家の残した言葉からの引用やエピソードで、くっきりと輪郭を表していくのを、読んでいくうち感じました。