文情ゼミ第1回

今日から愛知芸術文化センターが開催の「文化情報センター・ゼミナール 『現代アートを横断する』全11回」に通うことになりました。2003年にもこのゼミに参加し、絵画や映画、音楽、ダンスについて芸術センターの学芸員の方の解説をメインにいろんな知識を得て満足だったので、今回も応募。だって、今回は毎年この時期の恒例となっているアートフィルムフェスティバルもゼミに参加することで全部無料で観れるし、ハスミ先生の講演も無料だし、イベントークにも参加できるしなにしろお得なのです(ゼミの受講料は6000円)。


で、第一回目は音楽の藤井学芸員による「映画と現代音楽〜武満徹を中心に」というテーマの講義でした。武満徹の名前は知ってるし映画音楽をやってるというのは知ってましたが、もともと現代音楽の分野の作曲家だったことは実は初めて知りました(無知で恥ずかしい…)。ただ、『おとし穴』は観たことがあるので、知らないうちに武満氏の音楽は聞いていたのかもしれない。『おとし穴』では実験的な音楽が中心で(高橋悠治との共作)、他の作品でも三味線やガムランなどを取り入れたりしてたらしいです。一方ではジャズやブルースなどメロディアスな映画音楽も作っているのが幅があって凄いなと思いました。浅く広くだったら誰でもできるけど、そんな軽い感じには思えないし。教授(坂本龍一)なんかはいつも同じ曲調だもんねぇ…(本人は変えてるつもりかもしれないけど、YMOの時から変わらないよね。一貫してるといえばそうなんだけど)。そうそう、武満氏はあの『狂った果実』の音楽にも携わっていたらしいです(佐藤勝を手伝う)。最近だと『写楽』の映画音楽も担当してたんですねぇ。エンディングの曲は聴いたことがあります。映画自体は観てないけど、宣伝などで頻繁にかかっていたんではないでしょうか?『写楽』なのにジャズ?って思った記憶があるので。そして、大島渚監督の『儀式』では現代音楽のコンサート作品を編曲して使用しているとのこと。『儀式』はたしか録画済でまだ観てないので今度チェックしてみたい(聴いてみたい)と思います。


ちなみにアートフィルムフェスティバルで特集される吉田喜重監督作品において武満徹がかかわった映画は『日本脱出』『嵐が丘』だそうです。吉田監督作品(劇映画)では音楽は一柳慧ってパターンが多いみたいです。『さらば夏の光』『エロス+虐殺』『煉獄エロイカ』などがそう(『エロス+虐殺』は映像も音楽も素晴らしかったです…)。今の映画より昔の映画音楽の方が力が入ってるというか、アートしてるなという気がします。映画音楽って芸術作品だと思うんですが、最近の映画音楽って音楽に頼り過ぎというか、全体的に映像に対する音楽の割合が多い気がするんですよね。そうでなくて、ココ!ってところでハッと音楽が鳴ったり、気づくと音楽がかかってたというレベルの映画音楽を期待したいところです。って、なんか私偉そうだな(苦笑)。


次回は来週末のハスミ先生(重彦ね)のレクチャーです。風邪っぴきなので治して参戦したいところです。また、定員に満たなかったのかまだゼミの受講生を募集してるそうです。興味のある方は参加してみてはいかがですか〜?

文化情報センター・ゼミナール」 募集要項