自主映画フェス Dプロ「冨永昌敬監督特集」

名古屋シネマテークでの自主映画フェスティバル。今日が最終日。今年はこのDプロのみの鑑賞となりました。この監督さんや作品についての予備知識もないまま、ただチラシに「阿部和重青山真治ら絶賛」とあったので、いわゆる自主映画の私の苦手なノリというのはないだろうなという身勝手な確信で。


まずは『亀虫』シリーズ。「亀虫の兄弟」「亀虫の嫁」「亀虫の妹」「亀虫の性」「台なし物語」の5部作。これが、とて〜も面白かった。シュールすぎず、騒ぎ過ぎず、淡々と、でもテンポ良く。あ、書いてて思い出したんだけど、うちの父が近所のおばさんを「亀虫」って呼んでたんだった! 理由は「亀虫の臭いをかいだ時の顔をしてるから」だそう(しどい、けどホントそうなんだもん)。意外と「亀虫」って言われちゃう人って多いのかなぁ。あとセリフが、なんつーの、たたみかけるように、途切れることなく編集されてるのが意外と心地よかった。ヘタすると狙いすぎなんだけど。


テトラポッド・レポ−ト』が始まってすぐ、亀虫役の人が写ったんで『亀虫』シリーズの余韻を引きずってしまっていたんだけど、多少の笑いを含みつつも話はシリアスな方向へ。寒そうな風景が良かった。


阿部和重青山真治が絶賛したという『ビクーニャ』。これが観たかったというのにところどころ寝てしまった! 不覚!(まぁ、たびたび寝てしまう私ですが)だって空調がポカポカだったんだもん…。えっと、主人公玉助がどんどんわけのわからぬ方向へ巻き込まれていくところなど突飛な部分があるのに、話に入って行けちゃったのが不思議でした。音楽も良かった。と思ったら梅津和時だった。監督さんは彼のファンみたい。他の作品の音楽センスも良かったです。


全体的に凄く完成度が高く、これを無料で観ちゃって申し訳なかったなぁって感じ(スタンプがたまったので無料で観れたのです)。はっきりいって、普通に映画観た感じです。映画を職業としている人の。「総製作費○億!」とかいう映画でもとんでもないものもあれば、自主映画で製作費少なくてもこんなに面白いのが撮れるんだなぁと。あぁ、しかしホント寝てしまったのがアイタタ…。昨日観に行ってれば今日もまた観れたのにぃと。来年は初日に行こうと思いました、はい。


ストーリーやスタッフ・キャストについては、オパルック(http://www.h7.dion.ne.jp/~opaluc2/)にあります。