川上未映子『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』
- 作者: 川上未映子
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 単行本
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途中、読み終わるのがもったいなくなって、中断。そして復活。読み終わりました。これは、本人曰く「爆誕詩集」だそうです。私は彼女の文体に初めて触れたのですが、表題作『先端で、〜』の最初の一文、
一日は憂鬱でありやくそく、叱咤でありときどき逢瀬であり、自分と同じでかさ質量のずだ袋を引きずって、ずーるずーる歩く行為であって、それがわたしのコーヒーの飲めやん癖とどう関係してるんかということはまったく考えたくないなぁ。
を、読み、「イケる!」。いや、「でた!」(←いい意味で)、そんな感じ? 『ちょっきん、なー』の、手首のぼこぼこ、あれ、女子ならきっとやったはず。あの経験があんな哲学になるなんて。『告白室の保存』の電話。粘着系の電話。これは、なんかですね、私を見ているようだったけど(汗)、私はただの粘着…。彼女のは、そこら辺ちょっと哲学的なんだよな。それが素敵。哲学的っておおげさ? う〜ん、私にはその言葉しか出てこない〜。
芥川賞? 才能ある? 正直、最初読んでいた時は、面白い文体だな〜とかそんな感じだけでした。が、『象の目を焼いても焼いても』を読み始めてから、すんごい自分の中でどきどきするものがあって、冷静じゃいられなくなった。高揚していく感じは、町田康の『きれぎれ』(これも芥川賞受賞作だ)を読んだ時のそれと同じだって気づいて、「こ、これは〜!」っていう。ほんと、短い作品なのに、ずしんと来た感じでした。あぁ、また読みたい。単純にそう思いました。
☆収録作品
芥川賞受賞作の『乳と卵』は来月発売予定。予約しちゃおうかしら。その前に、今度は「小説」『わたくし率 イン 歯ー、または世界』も読んでおきたいです。結構、癖になる感じかも。