第26回−血液から全身へ伝わる3つの経路
精油が働く経路には4つあり、1つが血液を介さない嗅覚からのルート、そして残りの3つが血液を介するルートでしたよね。今回は、血液から全身へ伝わる3つのルートについてみていきます。
◎血液を介する3つのルート
<皮膚> 皮膚 → 真皮→ 血管、リンパ管 → 全身へ
<吸入> 鼻腔粘膜・肺胞 → 微量の精油成分が血液へ→ 全身へ
<消化管> 内服 → 消化管粘膜 → 血液 →全身へ
・上記のルートはすべて肝臓で分解され、腎臓でろ過され、
尿として排出される(汗、便、呼気としても排出)
それでは、一つずつみていきます。
◎皮膚から
・精油は小さな分子構造の上、親油性であるため、皮膚の表皮をおおう
皮脂膜や角質層のバリアゾーンを容易に通過
↓
・真皮層の血管やリンパ管〜血液を介し全身組織、器官へ広がる
・精油を皮膚から吸収させる方法の優れた点は、消化器系を介さないため、胃などに障害を起こす恐れがないこと
◎吸入によって
・精油の香りをかぐと、精油成分がわずかながら鼻粘膜から吸収され
血液へ送られる・精油成分が呼気とともに気管支から肺に入ると、精油の種類によっては
痰を切り、せきを鎮めるなどの局部での効果がある
(肺胞から微量の精油成分が血液に入る)
◎消化管から
・内服により消化管から血液中に入る
(協会では摂取することはすすめていない!)・一部医師には精油を薬品として扱い、口からの摂取を行うこともあるが
多くの専門知識が必要であり、自分の判断で行うと危険を伴うことも・内服した精油はすべてが吸収されてしまうため、続けて使うと肝臓に
蓄積し毒性を発現する恐れも。粘膜刺激も予想されるので要注意!
テキスト71頁に「皮膚の構造」のイラストがありますが、神経質に全てを覚えなくても良いかと思います(上位資格を狙っている方はこの際覚えちゃいましょう)。精油がどのように皮膚のなかに入っていくのかがポイント。表皮→真皮でしたよね。真皮にある血管やリンパ管に精油成分が入って全身に伝わっていくということがわかればいいと思います。
次回は精油成分による薬理作用とマイナス作用についてみていきます。