いしいしんじ『ぶらんこ乗り』読了

いしいしんじのことは、町田康との共著や高山なおみさんの日記のなかで出てきて、名前だけは知っていたのだけど、人が凄い凄いって言っているモノになかなか飛びつくことの出来ぬあまのじゃくな性格なため、名前を知ってから数年経ち、始めて彼の本を買った(しかもブックオフ)。買ったのは『ぶらんこ乗り』と『麦ふみクーツェ』。どっちの作品も評価の高いものと認識していたので、ブックオフにあってラッキー!なんて気軽な感じで。


インスト試験の間、ずっとアロマの本を読んでいたため、気分転換にと未読の本のなかで一番薄い『ぶらんこ乗り』を手にとった。寝る前、最初の一文を読み始めて、イチローじゃないけど「ヤバイっす」って感じだった。久しぶりに、高揚感。つーか、何が凄いかわからないけど、この世界は凄いというか。途中まで読み、これ読み始めたら試験勉強出来ない!と思い、中断したのでした。そして、やっと試験が終わり、読みすすめることが出来た。物語を読み、自分の頭のなかで映画のように映像が浮かぶのは普通のことだけど、それがいつも以上に鮮明に映し出された。「弟」の文章がたまらんよねぇ。後半(絵葉書んとこ)は思わず感極まってしまったよ。そんないちばんいいところに差し掛かった時、のびゅさんに話し掛け蹴られ思わず「うるさい!」と言ってしまった。ちょっと可哀想だったので、こんな話を読んでて中断できないでしょ!とあの象の話(ローリング)をしたら、怖がっていたのが笑えた…。そしてやっと今日読了。うぅ、なんて本を読んでしまったんだ。つーか、なんで今まで読まなかったんだろと後悔したり。今月号の『ダヴィンチ』にいしいしんじが載ってるので早く買わなくちゃ(次の号が出る前に)。『麦ふみクーツェ』も楽しみです。

ぶらんこ乗り

ぶらんこ乗り


私が読んだのは文庫だけどね…。